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廉が真剣な眼差しでそう言うから、私はコクリと頷くしかなくて。
それを確認した廉は、
視線を正面へと戻した。
「俺、あの時……
紗和は強いヤツだって、思ってた。雑草みたいに踏まれても……タンポポみたいに強く咲ける女なんだって。
……でも、さ?
紗和と離れて、年々思い始めたんだ……」
一旦、言葉を切って私の顔を覗き込んだ廉は、
「紗和も、弱いんだよな?」
そう言いながら、
また私の頬を撫でるように涙を拭ってくれる。
だけど、そんなこと言われたら更に涙が溢れるばかりで。
廉は、「こんなに泣き虫だったっけ?」って、自問自答するかのように呟いている。