WITH
「何、してるの……!?」
「紗和を待ってた♪」
そこにいたのは、にかっと笑う廉。
太陽みたいに眩しい笑顔。
「私、図書室に行くとか……言ってないよね?」
「いや……聞いてない。
お前のことだから『最後の思い出』とか言って、校舎の中ウロウロしてそうだと思ってさ?
そのうち来るんじゃないかと思って、先回り♪」
「そう、なんだ……」
絵本をパラパラと捲っている廉に唖然としていると、
「紗和のことなら、なんでもわかるんだ」
真っ直ぐに見つめられて、早くなる鼓動と逸らせない瞳。
そのまま見つめあった状態で廉はパタンと絵本を閉じると、ゆっくりと私の方へと近付いてきた。
目の前に廉が来た時には、いつもとは違う雰囲気に耐えられなくて……
でも、その場から動けない私は、廉の視線から逃れるように顔を背けた。