WITH
「紗和……こっち向いてほしいんだけど?」
「………無理っ!!」
顔を向けられるわけがない。
今、廉を見たら、平常心でいられる自信がないから。
「じゃあ、そのままで聞いてろよ?」
けらけらと笑いながらそう言われて、私は視線の先にある窓の外を見つめていた。
「明日っから、会えなくなるな?」
「………そう、だね?」
答えながら窓側に歩いて行き大きく窓を開けると、冷たい風が吹き抜けて、私と……廉の髪がうしろに靡いていく。
廉は、何を言い出そうとしてるんだろう?
そう漠然と考えていると、
「紗和は、俺に会えなくても……平気?」
「はいっ……!?」
そんなことを言われるとは思ってなかったから、驚いて振り返った私。
その瞬間―――