WITH
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高校3年生になった私達。
廉の通う高校には、律が新入生として入学していた。
そんな、ある春の日のこと―――
廉の部屋で遊んだ後、家に帰る私をいつも送ってくれる廉は、玄関を一緒に出た。
二人、手を繋いで歩き出した時、
「廉ちゃんっ!!」
って呼ぶ、可愛らしい声が聞こえた。
振り向いた先には、色白でパッチリ二重の瞳に桜色の唇、ふんわり巻かれた柔らかそうな髪。
小柄で、外国のお人形さんかと思えそうなほどとても可愛くて、女の子らしい女の子って感じの人。
「おぅ、蜜華!どうした?」
「廉ちゃんが見えたからら呼び止めちゃった♪どこか行くの?」
「あー、ちょっとな……」
私の存在なんか忘れたように、二人だけで会話し出すから……
私は空いていたもう片方の手を廉の腕に絡ませ、握っていた廉の手を更に強く握り締めた。