WITH


* * * * *


高校3年生になった私達。

廉の通う高校には、律が新入生として入学していた。

そんな、ある春の日のこと―――





廉の部屋で遊んだ後、家に帰る私をいつも送ってくれる廉は、玄関を一緒に出た。


二人、手を繋いで歩き出した時、



「廉ちゃんっ!!」



って呼ぶ、可愛らしい声が聞こえた。


振り向いた先には、色白でパッチリ二重の瞳に桜色の唇、ふんわり巻かれた柔らかそうな髪。

小柄で、外国のお人形さんかと思えそうなほどとても可愛くて、女の子らしい女の子って感じの人。



「おぅ、蜜華!どうした?」


「廉ちゃんが見えたからら呼び止めちゃった♪どこか行くの?」


「あー、ちょっとな……」



私の存在なんか忘れたように、二人だけで会話し出すから……


私は空いていたもう片方の手を廉の腕に絡ませ、握っていた廉の手を更に強く握り締めた。

< 60 / 350 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop