WITH


それに気付いた廉は、私に視線を向けると



「紗和、コイツは幼馴染みの蜜華。小さい頃に引っ越してから随分会ってなかったんだけど、今年うちの高校に入学してきたんだ」


「はじめまして、柚木蜜華です♪廉ちゃんの彼女さん……ですか?」


「あ、はい……霧原紗和です」



廉の幼馴染みだという蜜華さんは、可愛らしい声と笑顔で話しかけてくれてるけど……なんとなく押され気味の私。


こんなに可愛い子が廉の身近にいるなんて、初めて聞いた……


あれ…?そういえば……



「もしかして、律の同級生?」


「そうそう!確か……偶然にも、律とおんなじクラスなんだよな?
蜜華、紗和は律の姉ちゃんだよ」



廉を見上げてそう問うと、私を見て笑顔で答えてくれた廉に安心したのと同時に、すぐに蜜華さんに向けられてしまった視線に、胸がチクリと痛んだ。


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