WITH
それから、私達が来た場所は、よく二人で来る公園。
春めいた公園には、あちらこちらにたくさんのタンポポが咲いている。
「蜜華がイヤだった?」
「そうじゃないけど……」
ベンチに隣同士に座った私達は、それらを眺めながら話し出す。
夕暮れ時の公園は、桜も新緑も……私たちさえも、オレンジ色の夕日に染められていた。
「蜜華さん……可愛い、よね?」
誰から見ても、可愛いという感想を得てしまうであろうことはわかっていたけれど、ついつい聞いてしまったバカな私。
廉が蜜華さんを“可愛い”って言うのを聞いたら、落ち込んでしまうのが目に見えてわかっているのに……
「そうか?まぁ、可愛いかもしんないけど……俺は、紗和の方がいい」