WITH
遠くの景色に視線を向けていた私は、廉の言葉で顔が瞬時に熱くなるのを感じながら「……物好きだね?」そう呟いてしまう。
「物好きって……自分で言うなって」
私を見下ろして、吹き出しながら笑う廉を隣に感じながら、さっきまでのイヤな顔をしていたであろう自分がイヤになる。
「蜜華は、昔から体が弱くてさ……あんなに元気そうに見えるけど、今でも時々、入院したりするらしくて……」
廉は笑うのが治まった頃、ポツリポツリと蜜華さんのことを話し出した。
聞きたくない気持ちがありながらも、黙って廉の言葉に耳を傾けていた。
「蜜華の親が異常に心配性で、
俺に『蜜華のことを気にかけてくれると助かる……面倒見てやってほしい』って頼んできたんだ」