WITH
「だから―――もう、そんな顔すんなよ?蜜華より、紗和が一番だからさ」
夕日が沈む頃。
人気のなくなった公園に二人きり。
優しく微笑む廉に頬を包まれて、ゆっくり頷いたのと同時に……唇が合わさった。
廉は、些細な私の変化にさえ気付いてくれて、小さな不安も取り除こうとしてくれる。
きっときっと、何も心配するようなことなんてないんだ……
ギュウッ抱き締められて、廉の温もりに溺れて……
この時私は、本当に安心しきっていた。
その後。
門限から、1時間も遅く帰宅した私と廉に、お父さんの雷と共に長ーいお説教が待っていたのは、言うまでもない。