WITH


大学受験予定の廉は、夏休み頃から受験勉強を始めていて、会う場所はもっぱら廉の部屋。


勉強の邪魔になるから……と遠慮する私に、
「毎日、紗和に会わないと勉強に集中出来ない」
と言ってくれる廉に、結局は甘えてしまっている。


廉の邪魔にならないよう静かに雑誌を捲ったりしつつ、真剣な顔つきで勉強している廉を見つめるのが今の私の日課で、そんな時間も好きだから全然苦じゃなかった。


どこにも行けなくても廉の傍にいられるし、今年くらいこんな夏休みも悪くない。


ずっとずっと廉とは続いていくのだと、信じて疑いもしていなかったから―――


< 70 / 350 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop