WITH
最初の1通目の時点で、封筒を開けた時に指をバッサリと深く切ってしまったことで、お母さんには“不審な手紙”の存在は知られてしまっているけれど、誰にも言わないように口止めしていた。
なんとなく……誰にもバレてはいけないような気がしたから。
廉に話さなければ……と思いながら、受験勉強で忙しい廉を煩わせてはいけない、と話せないままもうすぐ1ヶ月。
そのうちあきらめて、こんなことはすぐに終わるのだと安易に考えていた。
第一、こんな脅しくらいで廉と別れるつもりはないのだから―――