WITH
私がいることに気付いているのかいないのか……
廉の腕に絡みついて、可愛らしい笑顔を向けている蜜華さんに私は冷たい視線を向け、溢れ出しそうな怒りのせいで手には無意識のうちに力がこもり、持っていた雑誌がクシャリとと音をたてた。
「あれぇー?紗和さん、いたんですか?」
私を見た蜜華さんは、廉に向けるのとは違う挑戦的な目をした笑顔を浮かべている。
「いたよ。今日は、どうかしたの?」
「えー?廉ちゃんに会いに来たに決まってるじゃないですかぁ♪」
極力優しく……落ち着いた声で答えれば、ヌケヌケと悪びれもせずに言い返されてしまって、顔がひきつってしまう。