WITH


明らかに機嫌の悪い顔をしているだろうなと自分でもわかっていたけれど、どうにも怒りは納まることなくなくフツフツと沸き上がっていくばかり。



「とりあえず、蜜華は離れろっ!!」


「はーいっ♪」



そんな私に気が付いた廉は、ムリヤリに腕に絡みついた蜜華さんを離し距離をとった。


廉の言うことは、素直に聞くんだ……?


一度俯き、蜜華さんにわからないように息を吐いて顔を上げると、心配そうに見つめる廉と目が合った。


“私は大丈夫……”
そんな思いを込めて微かに笑むと、廉は優しく微笑み返してくれた。


廉に、無駄に心配かけないようにしないといけないと強がる私は、可愛くない女かもしれない。


でも、私と蜜華さんの板挟みになって困る廉を見たくないから―――



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