WITH


そんな感じで、蜜華さんはその日から度々、私達の前に現れるようになった。


私の存在なんか無視して廉にまとわりつく蜜華さんに、頭を抱えながらも文句の一つも言えない自分がイヤになる。


それでも、廉がハッキリと拒否の態度を表してくれるから、まだ救われていた。


「俺の彼女は“紗和”だから」
と言ってくれる廉が、愛おしかった。


蜜華さんのことも不審な手紙も……廉が傍にいてくれるなら、何もかも耐えられたんだ。



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