WITH


* * * * *


「紗和、28日はどこか行かない?」



珍しく蜜華さんがいない、二人っきりの時。


不意に廉がそう言って、私は首を傾げた。


8月28日……???



「………なんかあったっけ!?」



いくら考えてもわからず、私は廉に聞いてみた。



「マジで……わかんないの??」



呆れた顔をして私を見る廉に、益々わけがわからない私。


コクリと頷いた私に、
「はっあー…」と大袈裟に溜め息を吐いた廉に、何か大事なことを忘れているのかと慌ててしまう。



「えー…ゴメン。何……???」



申し訳なくて、廉の様子を伺いながら恐る恐る聞くと



「別に謝らなくても大丈夫なんだけど……8月28日は、紗和の18回目の誕生日、だろ?」



にかっと笑った廉に「あ…」とポカンと口を開けてしまった私。


―――開いた口が塞がらないとは、正にこのこと。



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