WITH
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「紗和、28日はどこか行かない?」
珍しく蜜華さんがいない、二人っきりの時。
不意に廉がそう言って、私は首を傾げた。
8月28日……???
「………なんかあったっけ!?」
いくら考えてもわからず、私は廉に聞いてみた。
「マジで……わかんないの??」
呆れた顔をして私を見る廉に、益々わけがわからない私。
コクリと頷いた私に、
「はっあー…」と大袈裟に溜め息を吐いた廉に、何か大事なことを忘れているのかと慌ててしまう。
「えー…ゴメン。何……???」
申し訳なくて、廉の様子を伺いながら恐る恐る聞くと
「別に謝らなくても大丈夫なんだけど……8月28日は、紗和の18回目の誕生日、だろ?」
にかっと笑った廉に「あ…」とポカンと口を開けてしまった私。
―――開いた口が塞がらないとは、正にこのこと。