WITH
「思い出した?普通、自分の誕生日忘れないだろ……」
けらけらと笑う廉に、本当その通りだと頷いてしまう。
自分の誕生日さえ忘れてしまうくらい、最近の私といえば、蜜華さんのことや手紙のことばかり考えている。
蜜華さんは明らかに廉が好きなんだとわかるし、手紙の差出人はわからないままだし……
いつまでこんなことが続くのか、なんて考え出したら止まらない。
解決しないから、更に悪循環に陥ってしまう……
「おーい、紗和ちゃん?」
「えっ!?あ……うん」
不思議そうに見つめてくる廉に、慌てて返事をした私。
廉は、手を伸ばして私の頭をポンポンと撫でながら、
「行きたいトコ、考えとけよ?」
「う、うんっ!!」
優しい廉の言葉に、私は素直に喜んでいた。
まさか、あんなことが起きるとは思ってもいなかったから……