カノジョの死因、他殺。




「・・・・・ワタシは職業で人を好きになったり嫌いになったりしませんよ。 あの頃、刑事の葉山さんの事、大好きでしたよ、ワタシ」





佐伯さんの言葉に、葉山が半笑いになった。





「嘘吐け。 オレが告ってから付き合うのに半年かかったじゃん。 めっさ、オレの職業気にしてたじゃん」





「気にはしましたよ。 気にしない方が不自然でしょ?? 付き合う事にはためらったけど、好き嫌いの問題に職業は関係ない」





葉山は何も分かっていない。





葉山が刑事を辞めたりなんかしたら、それこそまた佐伯さんは自分を責めてしまう。






「・・・・・・じゃあ、どうしたらまたオレの事好きになってくれる??」






最早自分で考える事を放棄した葉山。





逆に清清しい。






「葉山さんには河野さんがいるでしょ??」





「河野さんとは付き合ってない。 オレが好きなのはみなみだけ」






葉山の言葉に、佐伯さんが怒った様にも悲しんでいるようにも見える表情をしながら、葉山を睨みつけた。
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