カノジョの死因、他殺。
「………そっか。 頑張ってね。 ………ちょっとトイレ行ってくる」
亜美が切なそうな顔で笑いかけて席を外した。
「………亜美ちゃんの事、もっと大事にしてやれよ」
亜美の足音が聞こえなくなった所で、健人が口を開いた。
「………シゴトより、亜美を優先しろって??」
亜美はもちろん大事。
でも、シゴトも大事。
「そうじゃなくてさ、シゴトが忙しくて会えなくても、小まめに連絡取り合うとかしろよ。 亜美ちゃんに淋しい思いさせんなよ」
健人の言ってる事は分かってる。
でも、出版社のシゴトは本当に大変で、あちこち走り回って聞き込みしたり、いかに読者の気を惹く文章書くか頭使うし
兎に角、疲れる。
言い訳なのは分かってる。
でも、亜美にも分かって欲しい。
応援して欲しい。
「・・・・シゴト頑張るって、自分勝手かな・・・・・」
正直、シゴトで精一杯。 恋愛を頑張る余裕が、今のオレにはない。
「・・・・・無理しろとは言わないけどさ、できる限り・・・・な??」
きっと健人は亜美から色々と相談を受けているのだろう。
・・・・・なんだろうな。
自分が悪いのに
亜美は何も悪くないのに
オレたちの恋愛問題を健人に相談する亜美が
なんかちょっと、めんどくさい。