カノジョの死因、他殺。




「佐伯とは、どうだ??」




名波さんが、曖昧すぎて主旨の分からない質問をふっかけて来た。




『佐伯も佐伯で名波さんと怪しい』




吉田さんの言葉を思い出す。





あ、そういう事??






「どうも何も、オレ、彼女いますから」





「あぁ?? オマエの恋愛事情なんか興味ないわ」






「え?? だって、名波さんって………」




うわ。 やべ。





言いかけて慌てて両手で口を抑えつけた。





「オレが何??」





「イヤ………」






「何?!」





「何でもないです」





「言え。」





名波さんの圧はハンパない。




だからって言える話ではない。





「….……風の噂でちょっと耳にして……でも、噂ですから」





「どんな??」





あー、もう。 しっかり前置きしたし、言っちゃうか。





「名波さんと、佐伯さんが………ふ……不倫を『するか、ボケ!! オレは子煩悩の愛妻家じゃ、アホか!!』





名波さんに、食い気味で否定された。


< 33 / 120 >

この作品をシェア

pagetop