カノジョの死因、他殺。
「佐伯とは、どうだ??」
名波さんが、曖昧すぎて主旨の分からない質問をふっかけて来た。
『佐伯も佐伯で名波さんと怪しい』
吉田さんの言葉を思い出す。
あ、そういう事??
「どうも何も、オレ、彼女いますから」
「あぁ?? オマエの恋愛事情なんか興味ないわ」
「え?? だって、名波さんって………」
うわ。 やべ。
言いかけて慌てて両手で口を抑えつけた。
「オレが何??」
「イヤ………」
「何?!」
「何でもないです」
「言え。」
名波さんの圧はハンパない。
だからって言える話ではない。
「….……風の噂でちょっと耳にして……でも、噂ですから」
「どんな??」
あー、もう。 しっかり前置きしたし、言っちゃうか。
「名波さんと、佐伯さんが………ふ……不倫を『するか、ボケ!! オレは子煩悩の愛妻家じゃ、アホか!!』
名波さんに、食い気味で否定された。