カノジョの死因、他殺。





翌日、『これ以上の高音は出ない』とばかりに胸を高鳴らせながら社会部の扉を開いた。





ドラマで見た通り、想像通りみんな忙しなく動いている。





おぉ。 遂にオレもこの中に・・・・。





羨望の眼差しでその光景を眺めていると






「菊池くん??」





編集長のデスクから、40代くらいの男性が立ち上がった。






「あ、ハイ。 今日付けでこちらにお世話になる事になりました、菊池ハルです」





「編集長の名波です。 これからよろしく。 さっそくだけど、菊池くんは今日から佐伯と組んでシゴトして。 やり方は全部佐伯に聞くといい。 おーい、佐伯!!」





名波さんが、少し離れたデスクでパソコンに打ち込みをしていた女性に手を振った。






・・・・・・佐伯。





名前に聞き覚えがあった。





席を立った佐伯さんがオレに近づいて来た。






顔を見て確信。





世の中、良いことばかり起きるわけがないんだ。
























オレ、死んだらどうしよう。
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