カノジョの死因、他殺。






「ねぇ、菊池くん、ワタシって大学生に見えたりする??」





佐伯さんが何の脈略もない質問をしてきた。





見たままを言うべきか、多少の嘘を混ぜるべきか・・・・。






「・・・・・大学生って言っても、浪人してたり留年してたり、大学入り直したりしてる人とかいっぱいいますし・・・・結構年齢上の人もいますからねぇ」





佐伯さんは、決して老け顔ではないが、童顔でもない。





曖昧にして誤魔化すという結論を出すと





「やっぱり無理があるよね。 てゆーか菊池くん、HP覗き見してないで記事書いてくれないかな??」





苦笑いした佐伯さんが、一緒になってパソコンを見ていたオレの椅子を押してオレを席に戻した。





そうだった。





何1つ書いていない。






「・・・・・・・オレも書きますから、佐伯さんも書いてみてくれませんか??」





佐伯さんだったら、どんな記事にするのか読んでみたいと思った。





「・・・・・なんでワタシまで書かなきゃいけないの」





佐伯さんが面倒臭そうな顔をしながら笑った。





「オレも読んだんですよ、佐伯さんの記事。 オレも、佐伯さんが書く文章好きです。 単に、読みたいんですよ、佐伯さんの記事」





「・・・・・・イイケド、雑誌に載せるのは菊池くんの文章だからね」






佐伯さんは、照れ笑いを浮かべるとパソコンを入力画面に切り替え、午前中に録音した葉山さんの話が入っているレコーダーを再生した。






佐伯さんは、きっと絶対にオレより凄い文章を書く。






佐伯さん程辛い思いをした事のないオレには、佐伯さんの様な突き刺さる様な文章は書けない。












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