カノジョの死因、他殺。
そんなこんなで辿り着いたのは、学生が住んでそうなアパート近くの駐車場。
車の中で待つこと、かれこれ2時間。
佐伯さんはオレに『203号室に不審な人間が近づいたらすぐ教えて』と云ったきり、車に積み込んだパソコンで黙々と原稿を打っている。
オレは、外を眺める他、やる事がない。
「・・・・・あの、なんの事件ですか?? コレ」
オレの問いかけに、チラっとパソコンからオレに視線を向けた佐伯さんが発した言葉は
「事件じゃないけど」
は?? 事件でも何でもない事に2時間もオレをつき合わせてんの?? このヒト。
夢いっぱい、希望いっぱい、やる気いっぱいでやってきたオレのガッカリ感はハンパナイ。
名波さんは、オレが異動してくる事を良く思っていなかったのだろうか??
だから、わざと佐伯さんと組ませるという嫌がらせを・・・・・。
あー。もう。 最悪。