カノジョの死因、他殺。





「・・・・・203号室に住んでる人ね、女子大生なんだって。 自分がいない時に誰かに入られてる気がするんだって」





原稿を打ち終わった佐伯さんが、パソコンを閉じながら話始めた。





「ソレは、オレらじゃなくて警察のシゴトでしょ??」





「警察は何かが起きないと動けないでしょ?? 『気がする』では動けない。 菊池くん、メロンパンとやきそばパン、どっちがイイ??」





そう言いながら、佐伯さんが鞄からパンを2コ取り出した。





ちょうど、お腹が減っていた。





有難く貰う。






「じゃあ、やきそばパンで。 警察がダメなら探偵とか」






遠慮なくやきそばパンを喰らうと、佐伯さんはさりげなくオレの近くにペットボトルのお茶を置いてくれた。





「女子大生のコね、仕送り貰ってないんだって。 学費も奨学金なんだって。 探偵雇うお金なんかないよね。 事件じゃないけどさ、犯人捕まえて、写真撮って記事にすれば女子大生も安心するし、ワタシもシゴトになるし、WINWINでしょ??」





佐伯さんが、少し笑って自分の顔程もあるメロンパンに齧りついた。





『メロンパンはおいしいけど、口の中の水分持ってくねー』なんて言いながら、無邪気に笑う佐伯さん。






被害者の家族の恨み買ってボコられるし、他にも変な噂あるし





あんまり・・・・というか、これっぽっちも良い印象がなかった。





でもオレ、なんかこの人嫌いじゃナイカモ。
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