WildCard
始まり
1985年
ここから、全てが始まる
混沌と欲望が入り混じる世界
覚醒して初めて目にする黒い世界。
・・・・
深夜を過ぎ
車の通る音が微かに聞こえる
部屋の中だというのに
深い海の中のような闇が広がっていた。
当時の私は、まだ幼く
この暗い闇がとても怖く
目が覚めても布団の中に
うずくまるように目を閉じて
眠っていたのを思い出す。
ある音が聞こえてくるまでは
私の人生の歯車はマトモだった。
今まで聞いた事のない音が
夢の中の私を起こした
恐る恐る布団の隙間から覗くと
黒い二つの物体が動いていた。
私は何が起きているのか
まったくわからないまま
それをずっと見ていた。
少しして、また不気味な音が
暗い部屋に微かに響いたと同時に
車のライトが部屋に当たった。
二つの黒い物体にライトの光が
当たって、それが何なのかわかった。
両親だ。
鬼のような顔をしていた父が
左手で髪の毛をつかみ
右手で首をつかんでいた。
母は何の抵抗も見せずただ
じっと何かを待っているように
見えた。
そして私は車のライトが消えると当時に
布団の中にもぐりあの光景は夢だと
信じながら耳をふさいで丸くなり
あの音が聞こえなくなるまで
眠りにつく事が出来なかった。
翌朝、起きると普通の生活が待っていた。
朝ごはんを用意する母の後ろ姿が
ホッとさせてくれるのであった。
ここから、全てが始まる
混沌と欲望が入り混じる世界
覚醒して初めて目にする黒い世界。
・・・・
深夜を過ぎ
車の通る音が微かに聞こえる
部屋の中だというのに
深い海の中のような闇が広がっていた。
当時の私は、まだ幼く
この暗い闇がとても怖く
目が覚めても布団の中に
うずくまるように目を閉じて
眠っていたのを思い出す。
ある音が聞こえてくるまでは
私の人生の歯車はマトモだった。
今まで聞いた事のない音が
夢の中の私を起こした
恐る恐る布団の隙間から覗くと
黒い二つの物体が動いていた。
私は何が起きているのか
まったくわからないまま
それをずっと見ていた。
少しして、また不気味な音が
暗い部屋に微かに響いたと同時に
車のライトが部屋に当たった。
二つの黒い物体にライトの光が
当たって、それが何なのかわかった。
両親だ。
鬼のような顔をしていた父が
左手で髪の毛をつかみ
右手で首をつかんでいた。
母は何の抵抗も見せずただ
じっと何かを待っているように
見えた。
そして私は車のライトが消えると当時に
布団の中にもぐりあの光景は夢だと
信じながら耳をふさいで丸くなり
あの音が聞こえなくなるまで
眠りにつく事が出来なかった。
翌朝、起きると普通の生活が待っていた。
朝ごはんを用意する母の後ろ姿が
ホッとさせてくれるのであった。