タイム・リミット~陽斗サイド~
「陽斗と奏心は追加ね」
着替えてグランドに向かうと、オレと奏心はマネージャーに宣告される。
マジかよ……。
無意識にため息がこぼれる。
「もう、みんな走ってるから……あ、ねぇ、若葉は?」
「え? まだ来てねーの?」
「うん、来てないのよねー何か聞いてない?」
「……いや、分かんないです」
あのバカ……何やってんだよ……。
「そ。もうちょっと待ってみるか……あんたたちは先、走って走って!」
マネージャーに促されてオレと奏心は追加された5周を共に走る。