タイム・リミット~陽斗サイド~
若葉の気持ち
あの日から2日。
若葉は普段と変わらずで、優斗も変わりはなかった。
……そう思ってたのはオレだけだったのかもしれない。
いつもと同じ部活帰り。
若葉と帰ろうと女子更衣室の前に行くと、少しあいたドアから大きな声が聞こえてきた。
「何で言わないのっ!」
まるで子供を叱りつけるような怒鳴り声。
誰の声だ?
「優斗くんは知ってるの?」
優斗?
その言葉に耳が大きくなる。
優斗の名前が出てくるってことは、若葉に違いない。