隣の女
「どこにいくんだよ。」

俺は琉希亜の後を追いかけながら聞いた。

「そんなん、俺にわかるわけねーだろ。ついでだから、あの女探しがてら校舎を探検するんだ。」

「おぉー。楽しそう!!」

琉希亜は早すぎず遅すぎずのペースで校舎を走って回った。
俺はその琉希亜のあとをついて行った。

校舎はなかなか広かった。
多分、この校舎でかくれんぼやって隠れてたら一生見つけられないだろう。
そのくらい広いのだ。

琉希亜と俺は全部の教室を走って回ったが隣の女(宮坂)はいなかった。

「どこにいんだよ、あいつ…。」

なんか、心配しているように見えるのは俺だけなんだろうか?
琉希亜は感情を激しく表に出さない方だが、今はすごく心配しているように見える。

「お前、あいつのこと好き?」

気づいたら口にしていた。
あとで、俺ってバカだな…と後悔した。

「はぁ?あいつのどこを好きになるの?ないないない。ちょっと気になるだけだ。」

気になるとはどういう意味なんだろうか。
好意があるもしくはどういう人(顔)なのか知りたいと思っている…。

まぁ、俺には関係ないことだ。

「さ、教室に戻ろうぜ。」

俺らは教室に向かって歩いた。

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