隣の女
今俺と琉希亜は隣の女を尾行している。

今、前の方にその隣の女がいるのだ。
少し早く歩いている。

だから、俺らも早く歩く。

っと…、もう曲がり角ではないか。
その角をもちろんだけど、女は曲がっていった。

続いて俺らも曲がる。

が、その女がいない。
いないのだ。

俺と琉希亜は顔を見合わせる。

曲がり角の先は長い廊下とトイレしかなく、もしあの女が走って行ったとしても見逃してしまう距離ではないのだ。

「どこいったんだ…?」

琉希亜が小さな声で呟いた。

「トイレじゃね?」

俺はそう小さな声で言った。

「待ってみようぜ。」

俺が提案したが、

「何言ってんだ、俺らの昼食はどうするんだよ。」

琉希亜に突っこまれてしまった。
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