傘から始まる恋
―――ザァァァァ―――
「あっ!!また靴下濡れたし…
もぉやだよ~…」
ぶつぶつと言いながら
学校に向かっていた時に、
何故だかわからないけど、
無性に前が気になったから、
ちらっと見てみた。
「あれっ???えっ??」
自分の傘と、前の人の傘を見比べる。
私の傘と、前の人の傘。
同じだ…。
前の人の足元を見ると
同じ学校の制服でズボン。
「男の子なんだ…。」
すごく気になって
追い抜かそうとしても、
足の遅い私には、
到底追いつけなかった。
「靴箱で見てみよっと!」
そう考えて、
一生懸命ついていった。