傘から始まる恋
案外すらっと言えちゃった。
優ちゃんを見ると目を見開いて
こっちを見ている。
私は続ける。
「優ちゃんにとってはただの遊びだったかもしれない。
だけど私は本気にしちゃった。
だからこうやって優しくされると
バカだからすごく嬉しくてね??
優ちゃんが…さらに好きになるんだ…
だけど優ちゃんは夏美ちゃんでしょ??
私に向けて言ってた言葉とか
優しさとか態度とかは…
全部夏美ちゃんに「なんなんだよ!!!」
いきなり大声をあげて叫んだ優ちゃんに私は驚いて黙ってしまった。
「勝手に俺の気持ち決めつけんなよ…」
「え…優ちゃ…」
ギュッ…
え…???優ちゃん??
どうして…私を…抱きしめるの??
「なぁ美帆。お前まさか教室で話してたやつ聞いた…とか???」
私の耳もとで優ちゃんの
優しい声が聞こえる。
また、涙があふれてくる。
私はただただうなずいた。