先輩と私と。
低音の音とは思えない、優雅な音。





いつも合奏でみんなを支えているとは思えない、華やかな音。





顔を真っ赤にして、





必死に息吸って。







いっぱい練習した高音を厚みのある音で吹き上げてみせる。








ちらっと目があった気がした。





梨乃が自分の手をつぶれそうなほど握っている。





自分が吹いているようなんだ。






自分の事みたい。





すごく緊張する。





ちょっと、梨乃。





手、青くなってきたよ。






< 396 / 446 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop