先輩と私と。

零がいない

「おはよー」




今日は百合がやけに早い。




いつもは3人の中で一番遅いのに。






「早いね」





今日は私が最後。




「聞いて」





嬉しそうだけど、少し影があるような声だった。





「うん?」




「ってか、これ見て」




見覚えのあるメモ帳。




『また付き合ってくれませんか』




それだけの簡潔な文。





だけどしっかり内容がわかる。





「どうしよう」





県代表になったり、告白されたり、ホント忙しいね。






「うちが言えたことじゃないけど、付き合ってもいいんじゃない??心入れ替わってるかも気になるじゃん?」





「そうだよね......うん。とりあえず今日、一緒に帰る」






「分かった」





「うちも今日、テニス部待ってるからさき帰ってもいいよ!!!」





「あ、うん...」




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