先輩と私と。

ソロコン、県大会

3月の上旬。




零とのデートも少しの日。






百合は手をひたすら握り締める。







そんな、ソロコンの日。





何故だか知らないけど、私と梨乃だけ、その会場に連れて行かれた。





「ソロコンはソロコンです。あなたたちだって、ソロコンにでるでしょう?」




わけの分からない言い訳をつけて連れて行かれる。







でも百合の努力が聞けるんだから嬉しい。









「ヤバイ、今なら心臓止まってもおかしくない。あぁー!!!!」





百合が変な雄叫びを上げ始める。





「落ち着いて。うちら見てるからね。一番前!!!」





「いや、前はやめて。心臓止まっちゃうから」





「あ、じゃぁ一番後ろのほうで」





「うんっ!!!」





そうにっこり笑って、





しきりに周りをキョロキョロし始めた。





「どうしたの??」




「木間くんが来るって言ってたんだけど...」





そう、背伸びをしてまで木間くんを探す百合。





「山宮さん、リハーサルしますよ」





顧問がそういうから、百合は名残惜しそうに顧問の後ろについていった。





「木間くん、探そっか。迷ってるかもしれないし」





梨乃にそういうと、




そっけなさそうに「うん」と言って、




玄関の入場者を見た。




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