先輩と私と。
拍手喝采の中で、





木間くんが私の肩を叩く。





「百合に結果でたらすぐ教えろって言っといて。




あと、最高だったって」






少し紅潮させた頬。





「分かった」





そのまま木間くんは出口に向かって、





観衆の中に吸い込まれてしまった。







私たちが出る出口は別の出口。






関係者以外立ち入り禁止のところ。






少し、緊張する言い方。





裏で、しゃがみこむ百合。





「良かったよ!!!木間くんも、最高って言ってた」






私が言おうと思っていたのに、それを梨乃が横取った。




「ホント??okだった??よかったぁ。もう、木間くん見えるんだもん、緊張しちゃうよー」






「木間くんがね、百合のこと、“山宮”じゃなくて“百合”って呼んでた」






「え??百合の名前、知ってたんだ」





「ほら、ノロケしてないで行きますよ」






きっと夫と上手くいっていない顧問は、さっきの笑顔は消える。






ちょっとむすっとした顔でそそくさと歩いていってしまった。





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