先輩と私と。
「うふふっ。行こっ」





百合は楽器を下げたまま私たちの手をとって、






歩き出す。





「このリア充めが。ったく」








いきなり梨乃が切れた意味は分からない。

















一緒にご飯を食べて、




顧問に自販でジュースを奢らせて、




そこらを散策して、結果までの時間をつぶす。












そして、そのとき。












百合は、銅賞だった。






悔し涙を流す百合に、





私たちは何の声を掛けても無力。




なんにも、百合に届かない。




1人で精一杯だから、




だから、途中であまり話しかけなくなって、





かといって、梨乃と楽しくしゃべるわけにもいかないから、





しんとする電車の中。






「ごめんねっ。こんな雰囲気にしちゃって!!!県いったんだから、すごいほうなんだもんね。金とが銀とかとれるって思ってた百合が変だったんだよね」






目を赤くしながら百合は無理に笑っていた。





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