もう一度愛を聴かせて…
◇
翌日、橘さんは妊娠検査薬を買って、わたしの家に来てくれた。
高校生のわたしが買うのは恥ずかしいだろう、と言って。でも、男が買うのも恥ずかしかったと思う。
わたしはトイレに入り、キャップを開け……説明書に書いてある通りにして……ふたたびキャップを閉じて数十秒待つ。
トイレから出ると、彼はすぐ前の廊下で待っていた。
「……どうだった?」
わたしは黙ってスティックを差し出す。判定箇所には赤いラインが……陽性だった。
「間違いない、か」
彼のなんともいえない表情に目が熱くなり、わたしの気分はどん底まで落ち込んだ。
「病院……心当たりある?」
首を横に振った。
産婦人科にかかるなんて考えたこともない。それに、市内の病院なんて絶対に行けない。
「じゃあ俺が探してくるから。友達に聞いてみる。市内じゃないほうがいいよな?」
今度は首を縦に振る。
翌日、橘さんは妊娠検査薬を買って、わたしの家に来てくれた。
高校生のわたしが買うのは恥ずかしいだろう、と言って。でも、男が買うのも恥ずかしかったと思う。
わたしはトイレに入り、キャップを開け……説明書に書いてある通りにして……ふたたびキャップを閉じて数十秒待つ。
トイレから出ると、彼はすぐ前の廊下で待っていた。
「……どうだった?」
わたしは黙ってスティックを差し出す。判定箇所には赤いラインが……陽性だった。
「間違いない、か」
彼のなんともいえない表情に目が熱くなり、わたしの気分はどん底まで落ち込んだ。
「病院……心当たりある?」
首を横に振った。
産婦人科にかかるなんて考えたこともない。それに、市内の病院なんて絶対に行けない。
「じゃあ俺が探してくるから。友達に聞いてみる。市内じゃないほうがいいよな?」
今度は首を縦に振る。