もう一度愛を聴かせて…
第4話 リセットの選択
橘さんから連絡があったのは検査薬で試した三日後のこと。

その翌々日、わたしはひとりで病院に行った。


彼が予約を取ってくれたのは、ふたつ隣の市にある個人病院だった。大学時代の友人の実家らしい。

橘さんは一緒に行くと言い張り、迎えに行くと言っていたけど、来てはくれなかった。

届いたメールには、「緊急の呼び出しがかかった」の言葉と、たくさんの「ゴメン」が書いてあった。

やっぱり、という気持ちが胸の中に広がる。

わたしは奥歯を噛み締めて涙を我慢した。

初めから、行きたくないって言えばいいのに。わたしに冷たくして訴えられるのが怖いのかも……そんなふうにしか考えられないことが悲しかった。


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