もう一度愛を聴かせて…
大学病院のほうが高性能の機材を使っているのか、赤ちゃんの手足も頭も、前よりクッキリと見えたのだ。
そのとき、音の正体に気がついた。
それはお腹の赤ちゃんが生きている証――。
先生はわたしの視線に気づくと、パチンと画面を切る。「母体に問題ないようなので、すぐに手術をしましょう」そう言われたのである。
術着に着替えるよう言われ、わたしはひとり部屋に残された。
ポケットの中には、安西産婦人科でもらったエコー写真がある。
すっごく大きくなっていた……ちゃんと手も足もあった……顔の輪郭も見えた気がした。
「パパ似かな……」
お腹に手をあてて呟いた瞬間、わたしの中で何かのスイッチが入った。
あとはもう夢中で……トイレに入るふりをして、奥の非常階段から病院を抜け出していた。
そのとき、音の正体に気がついた。
それはお腹の赤ちゃんが生きている証――。
先生はわたしの視線に気づくと、パチンと画面を切る。「母体に問題ないようなので、すぐに手術をしましょう」そう言われたのである。
術着に着替えるよう言われ、わたしはひとり部屋に残された。
ポケットの中には、安西産婦人科でもらったエコー写真がある。
すっごく大きくなっていた……ちゃんと手も足もあった……顔の輪郭も見えた気がした。
「パパ似かな……」
お腹に手をあてて呟いた瞬間、わたしの中で何かのスイッチが入った。
あとはもう夢中で……トイレに入るふりをして、奥の非常階段から病院を抜け出していた。