もう一度愛を聴かせて…
最終話 愛の言葉
わたしは泣いていた。

泣きながら目を覚ましたとき、白い天井が見えた。

病院に運び込まれたんだってすぐにわかった。


きっと、お腹の子供はもういない。意識のないうちに手術されてしまったに決まっている。だってわたしが目を覚ましたら、また逃げるかもしれないから。


そう思うと、さらに涙が溢れてきた。


「ごめんね……ごめん……なさい。ごめん……う……う……」


あとは言葉にもならない。

ひとりで死なせちゃったんだ。ずっと一緒に居てあげようって思っていたのに。

今すぐなら、追いつけるかな……許してくれるかな……それとも、もう母親じゃないって怒っているかもしれない。

そんな思いが溢れ出て、わたしは泣くだけだった。


「気が付かれました? ちょっと待ってね」


――先生、麻生さんの意識が戻られました。


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