イケメン女子の学園生活2
片手で泪のもう片方の手では尚輝の頭を撫でながら兄さんに溜め息をついた
『心配、なら嬉しいけど、オレの友達を貶すのは許さないから』
「うっ…ごめん、朔月!」
眉を八の字にして慌てる兄さん
つーか、勉強させたいから泪を早く家に帰してやりたいんだけど?
「「さっくん…!!」」
両側からキラキラした目で見つめられる
『ん?』
「さっくん惚れ直したよ!」
『…そりゃどうも』
「さっくん大好きだよぉ!」
『ありがと』
まるで尻尾を振るワンコのよう
可愛い可愛い、と撫でてやると光樹がオレの手を掴んでペイッと投げた
『なんだよ?痛いな』
「うっせ。早く行くぞ」
隅でいじける…いや、落ち込んでいる兄さんを避け、光樹はズンズン歩いていく
『分かったよ、待てって』
その後を追うようにして、オレ達は門にきた
「……ふぅ、ビックリした」
『…ごめん、慎二』
「ううん、大丈夫。…俺より、翔が…」
あ、そうだ
翔何か機嫌悪かったよな
『ごめんな?翔。態度悪い兄で…』
「……、いや、俺は…朔月を傷付けた奴だと思って…」
俯く翔は少し顔を歪めた
そうか…心配してくれたんだな
『ありがとな。けど、今は大丈夫なんだ。話したけど…兄さんとはちゃんと和解したから』
「あぁ…頑張ったんだな。朔月も、兄さんも…」
優しい顔で笑った翔
気づくとニコニコ笑っているのは慎二も泪も尚輝もで…
オレはいつのまにか暖かい目で見られていた