イケメン女子の学園生活2
「〜〜♪♪〜♪。これ、重要!」
…えーっと、この状況はどうすれば?
〜朔月 side〜
昼飯を食べずに消えたイヤホン君を探して、見つけたのはキャンプの裏の広場
切り株に座るイヤホン君に声をかけて…
なんか意地を張ってて…
音楽が好きみたいだから歌ってやって…
で……
「で、次はAメロ!サビを引き立てるようにこう!〜〜〜〜♪♪」
『……』
で、何故か歌のレッスンに入った
「俺の後に続いて歌えよ!」
うん。ちょっと待とうか?
暗い地味な印象だったイヤホン君、今日で崩れたね
前髪を掻き分けたイヤホン君はその切れ長の目を輝かせて歌っている
「はい、ワン、ツー…〜〜〜♪」
『…』
「う、た、え、よっ!」
うん。待とうか?
『歌わねーよ!お腹すいたわ!』
口じゃなくて腹が歌っちまってんだよ!
「……あぁ」
『さて、昼飯食いにいくぞ』
「……」
急に黙りやがって…
『食ったら、歌えるぞ?それにちゃんと参加したら返してくれるかもだろ?お前のイヤホン』
「……分かった、行く。…てか、取られたのイヤホンじゃなくて、iPodな」
『はいはい』
昼の準備を泪に任せてきたから少し心配
準備っつっても机と椅子を組み立てるだけで、昼は弁当なんだけどな
また前髪で顔を隠したイヤホン君は嫌そうにオレの後をついてきた
まったく…ガキだなぁ