イケメン女子の学園生活2
キャンプ場に戻ると泪が一人で準備しているのが目に入る
泪のせいのペナルティでイヤホン君が拗ねたってのもあったから、仕事押し付けていたけど…
走り回る泪を見ると罪悪感が沸いてきた
『泪、悪い。今から手伝う』
「ふぇ?あ、大丈夫だよぉ!さっくんは座っててぇ?」
『いや…』
「いいからぁ!」
グイグイ押されて椅子に座る
イヤホン君は触られる前に座っていた
………ま、良いかな
『じゃあ、泪に任せる』
「うぬ!任せなさい!」
そう言うが否やピューと走って行った
「……アイツの音、嫌い」
オレの隣のイヤホン君が小さい声で呟いた
『…音?』
「……。別に隠してねーから言うと、俺、耳良いんだよ」
なにソレ自慢?
…て、ふざけた雰囲気じゃないから真剣に耳を傾けてやる
『それで?泪の音って声の事?』
「まあ、そうだな。俺は人間の声の細部まで聴こえる。声は素直で感情や思考を音に混ぜて発してて…その“音”が、俺にはハッキリ聴こえるんだよ」
いきなりな説明に多事ろぐがイヤホン君の真剣な瞳に嘘はない
…つまり、声でその人の中身が見えちゃう、みたいな?
『…じゃあ、泪はどんな音なんだ?』
「アイツは…」
イヤホン君が答えようとしたが、泪の足音によって止められた。
「おまたぁ??」
『……泪』
「……」
「んぅ?どーしたのぉ?お昼、持ってきたよぉ?」