イケメン女子の学園生活2


キャンプ場に戻ると泪が一人で準備しているのが目に入る


泪のせいのペナルティでイヤホン君が拗ねたってのもあったから、仕事押し付けていたけど…

走り回る泪を見ると罪悪感が沸いてきた




『泪、悪い。今から手伝う』

「ふぇ?あ、大丈夫だよぉ!さっくんは座っててぇ?」

『いや…』

「いいからぁ!」




グイグイ押されて椅子に座る



イヤホン君は触られる前に座っていた




………ま、良いかな


『じゃあ、泪に任せる』

「うぬ!任せなさい!」



そう言うが否やピューと走って行った



「……アイツの音、嫌い」



オレの隣のイヤホン君が小さい声で呟いた


『…音?』

「……。別に隠してねーから言うと、俺、耳良いんだよ」



なにソレ自慢?

…て、ふざけた雰囲気じゃないから真剣に耳を傾けてやる


『それで?泪の音って声の事?』

「まあ、そうだな。俺は人間の声の細部まで聴こえる。声は素直で感情や思考を音に混ぜて発してて…その“音”が、俺にはハッキリ聴こえるんだよ」



いきなりな説明に多事ろぐがイヤホン君の真剣な瞳に嘘はない


…つまり、声でその人の中身が見えちゃう、みたいな?


『…じゃあ、泪はどんな音なんだ?』

「アイツは…」



イヤホン君が答えようとしたが、泪の足音によって止められた。



「おまたぁ??」

『……泪』

「……」

「んぅ?どーしたのぉ?お昼、持ってきたよぉ?」



< 24 / 95 >

この作品をシェア

pagetop