イケメン女子の学園生活2
『知らねーよ。オレにはお前等の喧嘩も意地も関係ねーんだよ』
「……」
冷めた目で俺を軽く睨んだ能天気男はくわり、とまた欠伸した
―――…
人質にする、俺がそう告げれば呆け隙を作った仲間と思われる男
そのすきに俺は男の腕を拘束し、力の限り押さえ付ける
が、しかし
水野の言った通り細い腕で、一瞬強いと思われたこの男は弱かった
『……は、ちょ、離せよ』
…だが、陽鬼は油断大敵。動く隙も与えずに押さえ付ける俺にようやく反抗しだす男
「動くなや。この細い腕、へし折るぞ」
『……』
ピタリと動きを止めた男は盛大に溜め息をつく
そして俺は緑頭に声をかける
「おい、陽鬼!…コイツァお前の仲間なんやろ?殺られたくなきゃあ大人しくしろやぁ!!」
「…っ!?」
「…な、ナイスや!総長!」
ハア、と息をつく二人は俺の腕の中にいる男を見て喧嘩を一時中断する
『だから、仲間じゃねーってい…』
「わあった!!抵抗せえへんからソイツには手ぇ出さんといてや!」
ガクンと膝をつき、手を広げた緑頭は情けない顔を俺に向けた
水野はニヤリと笑うと腕を大きく振りかぶる
―――ガツンッ!
―――――…
それから、今の常態に至るまで
この能天気男は辛そうな顔一つせず、ただ冷酷な目付きをしていた