イケメン女子の学園生活2


ギロリ


――――…ゾクッ



能天気男に睨まれたその刹那、悪寒が走り、嫌な汗が背中をつたる

感じた事もないような焦りを感じ、俺は素早く立つと戦闘体勢に入る



『……なあ、お前』


目には殺気を溜めたまま、口は項を描く
その姿は男の俺でも美しく感じた



「な、なんや」

『言ったよな?オレには関係ない、と』



一歩一歩近付いて来る

眉間に皺を寄せた俺は睨み返し、必死に反抗する


「言った、な」

『なのに、テメェ等クズはそれを無視してオレを巻き込んだ。……まあ、我慢出来たが、次は?』

「……、」

『次は、更に関係ない奴も巻き込み、殺れ、だあ?……ふざけんのも大概にしろ』


キンッ―――…と、能天気男の低い声で空気が固まる



「…っ!!」


スッと近付いた男に急いで手でガードを作るが、余りにも早く強い蹴りになす統べなく、まともに食らった俺は崩れ落ちた



微かに見える男は俺を見下ろしてから水野をジロリと見た


『…あと、お前』

「っ…!」


能天気男が見たらカタカタと震え、一歩二歩と後退し逃げる水野の姿が


『こんな手段で勝つ勝利に価値があんのか知らねぇけど、その時点でテメェ等は負けてんだよ。糞汚ねえ根性のテメェ等はオレにも勝てねえ負け犬だ!』

「グハッ!!」


ドサリ、溝に一発食らい気を失った水野を確認すると俺の視界も霞む




……あぁ、情けねぇな



負け犬、か

確かにな



俺は初めて圧倒的な強さを見せ付けられ、自分がとても恥ずかしくなった


ジンジンいたむ頬はアイツに蹴られたもの

それに、…俺は気づかされた





最後に能天気男が緑頭に話しかけているのを見て、俺も意識を手放した




〜?? side end〜


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