イケメン女子の学園生活2


『おーい、大丈夫か〜?』


グッタリと項垂れる緑色に声をかけるとピクリと反応した




〜朔月 side〜



人質に取られたオレは抵抗するのも面倒だとただ映画を見る観客のように、殴られていた緑色を傍観していた

その結果、

この緑色は血だらけで倒れている



そもそも、関係のないことに頭を突っ込む気は微塵もなくて

早く終われば良いか、なんて思っていれば



「これだから族は……おい黒崎、ソイツ大丈夫か?」

『……さあ』


見事にイヤホン君を巻き込む大事になってしまった


コイツ等の馬鹿みたいな喧嘩にほとほと呆れていたが、流石に腹も立つ

大事な班員に手を出されて黙っているほど甘ちゃんじゃないしな




キレて暴れてイヤホン君を助けれたのは良かった

が、しかし



最終的には首を突っ込んじまったって訳


……なら、

コイツをもっと早く助けてやった方が良かったかもな



「ぅ……」


微かに声を洩らした緑色はオレを見る


『大丈夫か?』

「……、自分、強い…かったんやな…」



こんな状況で

こんな状態で


緑色はニカリと弱々しくも爽やかに笑った

何とも清々しい笑顔で



『……、悪い』

「……何、が?」



強いのに、助けなくて

オレがそう言えば目を瞬かせてからフッと笑うと


「俺が巻き込んじまったんやから……気にせんで、ええ」


緑色は格好もつかない格好で言ったけど

ひどくかっこよく見えた




< 51 / 95 >

この作品をシェア

pagetop