イケメン女子の学園生活2
来た道を今度はイヤホン君と共に戻る
星空が綺麗に見える
手には、新しく買い直したアイス3つ
「……はぁあ…しんどかった」
グッタリ項垂れているのはイヤホン君
『大丈夫か?…ごめん、な。巻き込んで』
「いや、巻き込んだのは見た感じ向こうだろ。……ったく、これだから族は嫌いだ」
深い溜め息をついたイヤホン君は空を仰ぐ
オレは歩くペースをゆっくりにするとイヤホン君に優しく聞いた
『何でそんなに族嫌いになったんだ?』
「……、そうだな」
オレをチラリと見たイヤホン君は少し考えた後、大した理由じゃないけど。と、苦笑いしながら話し始めた
「俺の産まれた所では、悪い族がたむろしていたんだ」
『イヤホン君って高校の近くで産まれたんじゃないんだ?』
「あぁ。引っ越したんだ……。俺だけ」
悲しげに空を見つめたままイヤホン君はぽつりぽつりと思い出すように言葉を続けた
「悪い族ってのが…まあ、五月蝿かった。暴走って言うのか?バイクの。暴走族だから当たり前なんだろうこど」
『あぁ、エンジン音の…』
「そ。その頃…俺は中学生で、詰まりは受験生。んで、俺には小さい弟がいたんだ」
イヤホン君の弟は2才で若いお母さんが付きっきりで世話していたとか
「親父は大工で…酒飲むとたち悪いような奴でさ。家事で疲れた母さんと親父は結構ピリピリしてたんだ。
……で、暴走族の暴走が始まった」