イケメン女子の学園生活2
〜イヤホン君 side〜
あの頃を思い出すと耳の奥がざわつく
それでも、黒崎の優しい声に促され俺はまた話し出した
――――――………
―ブオォォォン、ブオォォォン!
……またか
机のノートにシャーペンを走らしながらも、決して集中出来ずにいた
中3になったばかりの俺は進路について真剣に考えていた
夢、があったから
「うっせぇな!!」
ガンッ!と壁を蹴る音が上にいる俺にも聞こえた
下で酒を飲む親父はバイクの音にキレる
週一に酒を飲むっつーペースから週四に変わった
それは少なからず奴等のエンジン音のせいだ
「あなた、叫ばないでちょうだい!」
「うるっせぇ!ガキもうるせぇんだよ!早く黙らせろ!!」
昔から耳の良い俺はいくら部屋を隔てていても聞こえる会話
奴等の暴走がこの辺に決まり、毎日のように夕方から夜中ずっと騒ぎ倒す
頭が痛くなるような音に俺も含め、家族全員にストレスが溜まり…
「あなたが叫ぶからじゃない!私がいくら苦労して寝かし付けたと思ってるの!?」
「ああ!?それがお前の仕事だろ!!」
俺の家庭状況は最悪になっていったんだ