イケメン女子の学園生活2
「〜〜っ!!」
鈍い痛みが頬を貫いた
「お前は…っ、あんなクズ共の仲間なのか!?」
「は…いや、ちがっ…」
「見損なった!育て方を間違えた!お前クズだ!!」
「っ!んでそうなんだよ!」
「五月蝿い!」
反対側の頬を殴られ、俺は反抗する気を失った
「お前なんか………産まれなければ良かった…」
親父はそう言うとフラフラと家に吸い込まれて行った
酒の臭いを漂わせた親父の言葉は………
一番最悪の雑音だった
「……受かった」
外では奴等の暴走
家では弟の泣き声と俺への親父の罵倒
それらを聞きたくない俺は大音量で音楽を聞くようになった
現実から逃げて勉強をし、都会の東高校を受験先にした
それの合格通知が来た
「……終わった、ハハッ…」
俺は身仕度をするとトランクを持って家を出た
「………サヨナラ、」
母さんは無感情の目で俺を見送る
「親不孝者!クズが!」
親父は最後まで俺を誤解し罵倒した
最後に、……何かが壊れる音が聞こえた
仲良かった俺の家庭は少しずつヒビが入り、
再生不可能なまでに粉々に砕けちっていった
〜イヤホン君 side〜