イケメン女子の学園生活2

だからって、ほっぺを膨らましてオレを恨めしそうに見てくる事ないだろ


『悪かったって…見付けた?』


頭を撫でてやるとほっぺの膨らみが縮んだ

それでも、泪はご機嫌斜め感を出した声で首を降った


「うぅん。まだぁ」

『そっか。じゃあ、行くか』


立ち上がって、んー、と腰を伸ばす

粗方疲れが取れたし、
泪の機嫌を治すためにも頑張って探しますか



「早くしないと先越されちゃうよぉ?」

『はいはい』

「……」



イヤホン君も黙って立ち上がり、オレ達は他の生徒の声が聞こえる方に歩いていく


『宝…ねぇ。どんなもんなの?』

「うーんとぉ…丸いカプセルみたいなのだったかなぁ」

『見たの?』

「うん、琴ちゃん達が沢山持ってたよぉ!」



やるな、琴音ちゃん達

周りの生徒に習ってキョロキョロと首を動かすがそれらしき物はなし



『こら、イヤホン君。下になんてないだろ?』


八つ当たりにイヤホン君を注意すると睨まれた…気がした


「あるかもしんねーだろ」


プイッとまた顔を背け、下を向くイヤホン君



…なんなんだ

だんだん反抗期の子供にしか見えなくなってきたぞ


「んんん!?あれ、はっけぇーん!」


急に叫び走り出した泪にビクリと心臓が跳ねた

高い声はこれだから……て、


「わきゃあ!!」

「!…」


…多分、前を見ずに走り出したんだろう泪は
オレが止める前に人にぶつかった


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