イケメン女子の学園生活2

慌てて駆け寄る

小さい泪ははね飛ばされて尻餅をついていた


『泪、「大丈夫か?」』


声が重なり、ぶつかった人を見上げると無表情の翔だった


「大丈夫じゃなぁい…………あぁっ!」


オレにすがりついてきた泪を立ち上がらせようとしたが、またも急に声をあげた泪は自分の力ですくりと立ち上がった


「取られちゃうぅぅ!!」


そう言い残し、泪は一目散に走って行った




……

そんなに遠くにあるものをよく見付けれたな

目が良いんだな、泪は…



半場呆れたように小さくなっていく泪を見つめてると、翔がはあ、と溜め息をついた


『…どうした?』

「……いや。泪なら良い…けど、違う奴にもぶつかられるから…」


眉間に皺をよせ、ふう、とまた溜め息を吐いた

まあ、そりゃあこんな大きい男が立ってたら邪魔だよな


…言わないけど


『じゃあ、今頃光樹もそうなってるかもな』

「アイツはサボってるけどな…」


フッと一瞬笑った翔はまたな、と残して去って行った

翔はサボらないんだ?

と思ったけど、根は真面目な翔だからなと一人で納得


翔も見送るとイヤホン君が不思議そうに首を傾げた


「あいつ、笑うんだな…」

『ブハッ!』


何を言い出すかと思えば…


「笑うな」

『いやいや…翔だって人なんだから笑うって!』



< 62 / 95 >

この作品をシェア

pagetop