イケメン女子の学園生活2
慌てて駆け寄る
小さい泪ははね飛ばされて尻餅をついていた
『泪、「大丈夫か?」』
声が重なり、ぶつかった人を見上げると無表情の翔だった
「大丈夫じゃなぁい…………あぁっ!」
オレにすがりついてきた泪を立ち上がらせようとしたが、またも急に声をあげた泪は自分の力ですくりと立ち上がった
「取られちゃうぅぅ!!」
そう言い残し、泪は一目散に走って行った
……
そんなに遠くにあるものをよく見付けれたな
目が良いんだな、泪は…
半場呆れたように小さくなっていく泪を見つめてると、翔がはあ、と溜め息をついた
『…どうした?』
「……いや。泪なら良い…けど、違う奴にもぶつかられるから…」
眉間に皺をよせ、ふう、とまた溜め息を吐いた
まあ、そりゃあこんな大きい男が立ってたら邪魔だよな
…言わないけど
『じゃあ、今頃光樹もそうなってるかもな』
「アイツはサボってるけどな…」
フッと一瞬笑った翔はまたな、と残して去って行った
翔はサボらないんだ?
と思ったけど、根は真面目な翔だからなと一人で納得
翔も見送るとイヤホン君が不思議そうに首を傾げた
「あいつ、笑うんだな…」
『ブハッ!』
何を言い出すかと思えば…
「笑うな」
『いやいや…翔だって人なんだから笑うって!』