イケメン女子の学園生活2
「……彼、あんな目付き良かったんだね」
慎二がイヤホン君を見ながら呟く
…お分かりだろうか
察しが良い人は分かっただろう
そう、イヤホン君の長かった前髪はバッサリとデコ辺りで切られていて無造作に跳ねていた
「暗おん僕に挨拶わぁ〜?」
「暗おん言うな童顔が。何で俺がお前に挨拶すんだよ」
「さっくんにはしたのにぃー!」
「なんだ、仲良しなんだね、二人共」
そうなんだよ、慎二君
嫌い嫌い言う割にはイヤホン君は満更じゃないように泪と話すんだよ
でも慎二の一言に更に目付きを鋭くするとプイッと顔を背けて席についてしまった
「やれやれ。暗おんはツンデレさんだなぁ」
「泪も、最初は嫌がってたのにね?」
確かに
オレがイヤホン君を班員に選んだ時は猛反発してたしな
うん、と頷いてから泪を見ると苦笑いしながら言った
「だってぇ、暗おん喧嘩出来ないヘッポコのクセに一人でさっくん探しに行ったんだよぉ?嫌いになれないょお〜」
いつの間にか席を離れていた泪はオレのお腹に抱き着く
顔をお腹に埋めた泪はぎゅうぎゅうとオレを締め付ける
『…ま、悪い奴じゃないってことさ。因みにオレも嫌いじゃない』
寧ろ好きな部類に入る
軟らかな髪を撫でながらまたイヤホン君を視界に入れる
イヤホンは肩にぶら下がっているが耳に付いてなく……、彼も少しずつ世界が広がっていけば良いなと思う
オレがこいつらに広げてもらったように